ご挨拶

 皆様には平素より当研究所に格別のご高配を賜り厚くお礼申し上げます。
 昨年4月、当研究所はそれまで所属していた工学部から独立し、大学附置研究所として新たなスタートを切りました。
1年余りが過ぎ、運営体制もようやく落ち着いてまいりましたので、この機会に、新研究所の目的、組織、運営等の概要ならびに現在の活動状況をご紹介いたします。
 当研究所の目的は、「工学および関連学際領域を含む広い視野から人工知能に関わる共同研究を総合的に推進し、かつ、この分野において国内および国外にわたる産学の協力の場を提供することによって、高度な人工知能の実現を図ること」であり、これを達成するために、共同研究、国際協力、成果発信等の活動を推進・奨励しています。とくに、優れた共同研究プロジェクトや共同事業プロジェクトには研究所予算から必要な資金を正式に配分できるようにしました。これは従来からの大きな変革点であります。
 研究所の構成員は、研究員、特任研究員および客員研究員からなり、いずれも審査に基づいて学長が任命または委嘱します。研究員・特任研究員の任期はともに最長3年で、その間、少なくとも1つの共同研究プロジェクトに参加することが求められます。これらも学部付属の時代にはなかったものです。
 研究所の運営組織としては、所長、副所長、主任等の役職のほか、最高決定機関である研究員総会、運営全体を迅速に進めるための運営委員会、特定課題を検討する各種専門委員会、議題整理のための幹事会、および事務局が設けられ、それぞれが密に連携しながら有効に機能しています。
 研究所の対外的事業としては、従来通り、名古屋市科学館と共催で、一般市民向けの公開講座“ソフトサイエンスシリーズ”、ならびに、子供たちを対象にした連携講座“最高の科学技術を子供たちに!”を、いずれも年1回開催する予定です。また、ロボカップ・ジャパンへの参加も支援事業の一つとして予定しています。
 研究所の刊行物としては、機関誌である「IASAI News」を年1回発行します。また、研究所の紹介パンフレットの発行は、2019年度は見送りましたが、2020年度から再開する予定で、現在準備を進めています。
 なお、昨年度、本学に先端共同研究機構という全学的な組織が設置され、すべての附置研究所を統轄することになりました。このため、当研究所の正式名称も今年度から「中京大学先端共同研究機構人工知能高等研究所」に変更になっています。
 以上、新しい研究所の概要ならびに現在の活動状況をご紹介いたしました。
 最後に、皆様には今後も当研究所の運営にご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げて、ご挨拶に代えさせていただきます。


2019年7月1日
中京大学先端共同研究機構人工知能高等研究所
所長 長谷川純一
(工学部教授)